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『なんとなく好き』では伝わらない。色彩心理・配色理論の活用法
はじめに
「この色、なんとなく好きだから使おう」――デザインの現場では、意外とよくある判断です。
しかし、企業の広報物やWebサイト、パンフレットなどで「なんとなく好き」で色を選んでしまうと、ブランドの印象やメッセージが正しく伝わらないことがあります。
色は単なる装飾ではなく、見る人の感情や行動を左右する大切な要素です。そこで本記事では、色彩心理と配色理論を活用した、戦略的な色の選び方を解説します。
1. 色の心理的効果 ― 見る人の感情を左右する無言のメッセージ
色は、人の感情や行動に無意識の影響を与えます。これは「色彩心理」と呼ばれ、世界中のデザインやマーケティングで活用されてきました。
ここでは主要な色とその心理的効果を、企業ブランディングでの活用例とともに詳しく見ていきましょう。
■ 赤(Red)
• 印象:情熱、エネルギー、行動力、緊張感
• 効果:購買意欲を高める、注意を引く、緊張感を与える
• 活用例:キャンペーン広告、セール告知、スポーツ関連、飲食系ブランド
赤は視覚的に非常に目立つため、即座に注目を集めたい場合に有効。ただし多用しすぎると圧迫感を与えるため、ポイント使いが効果的です。
■ 青(Blue)
• 印象:信頼、誠実、冷静、安心
• 効果:信頼感を高める、冷静な判断を促す
• 活用例:金融機関、教育機関、IT企業、公共サービス
青は誠実さや安心感の象徴として定着。やや暗めの青は落ち着いた印象、明るい青は爽やかさを演出します。
■ 緑(Green)
• 印象:安心、調和、成長、自然
• 効果:リラックス効果、環境意識の訴求
• 活用例:環境・農業関連、医療・健康、教育
緑は自然とのつながりや健康志向を表現しやすく、持続可能性や安心感を訴求できます。
■ 黄(Yellow)
• 印象:明るさ、希望、注意、幸福感
• 効果:視認性向上、前向きな気持ちにする
• 活用例:子ども向け商品、飲食、注意喚起表示
黄は見る人を元気にする色。ただし高彩度の黄は注意喚起にもつながるため、使い方にバランスが必要です。
■ オレンジ(Orange)
• 印象:情熱、エネルギー、行動力、緊張感
• 効果:購買意欲を高める、注意を引く、緊張感を与える
• 活用例:キャンペーン広告、セール告知、スポーツ関連、飲食系ブランド
赤は視覚的に非常に目立つため、即座に注目を集めたい場合に有効。ただし多用しすぎると圧迫感を与えるため、ポイント使いが効果的です。
■ 紫(Purple)
• 印象:高貴、神秘、創造性
• 効果:高級感を演出、個性を際立たせる
• 活用例:美容、ファッション、芸術関連
紫は他色と比べ個性が強いため、ブランドの差別化に有効です。
■ 黒(Black)
• 印象:力強さ、洗練、権威
• 効果:高級感や重厚感を演出
• 活用例:高級ブランド、IT機器、モード系ファッション
黒は他の色を引き立てる背景としても効果的。
■ 白(White)
• 印象:清潔、純粋、シンプル
• 効果:開放感を与える、他の色を引き立てる
• 活用例:医療、教育、ミニマルデザイン
白は余白としての役割も重要で、全体の呼吸感をつくります。
2. 配色理論を使った効果的な組み合わせ ― 応用編まで
色の心理効果を理解したら、次は配色のルールです。単色だけではブランドらしさを表現しきれず、配色によって印象やメッセージ性が大きく変わります。ここでは基礎から応用まで、効果的な組み合わせ方を紹介します。
■ 補色(反対色)
補色は強烈な印象を与えますが、多用すると視覚的疲労を招くため、アクセント的に使うのがコツ
• 色相環で正反対に位置する色同士(例:青×オレンジ、赤×緑)
• 強いコントラストで注目を集める
• 広告やバナー、CTAボタンに最適
■ 類似色
• 隣接する色相を組み合わせ(例:青×青緑×緑)
• 自然で落ち着いた印象を与える
• ブランドの統一感を出しやすい
特にWebサイトや冊子の基調色として有効
■ トライアド(三角配色)とスプリットコンプリメンタリ
• 「トライアド」は色相環の中に正三角形を作って選んだ3色
3色選ぶ場合には、もう1つ「スプリットコンプリメンタリ」という選び方があります
補色を分割させるという意味があり、二等辺三角形のイメージで補色関係にある色から左右に少しずらした色を選びます。(例:赤×青×黄)
• バランスが良く、動きや活気を感じさせる
• イベントや若年層向けデザインに向く
配色設計の3つの役割
どの配色パターンを選んでも、色を効果的に使うには「役割分担」を意識することが重要です。
• メインカラー
ブランドの印象を決定づける主役の色。最も目立ち、全体の約25%程度を占めるテーマを象徴するようなカラー。
• ベースカラー
背景や大きな面積に使い、全体の雰囲気を整える色。全体の約60〜70%程度を占めることが多い。
• アクセントカラー
小面積で使い、視線を誘導したり重要ポイントを強調する色。全体の5〜10%程度が目安。
この3つの役割を理解して配色すれば、どんなパターンでも視認性・調和・ブランドらしさを両立できます。
【参考サイト】このような配色の参考ツールを使うのも良いでしょう。
- Adobe Color:カラーパレットジェネレーター
Adobeが提供する無料の配色ツール。色を一つ選ぶと、色相理論に基づいた配色を提示してくれます。多様な色覚シミュュミレーターを使用すれば、様々な色の見え方に配慮した配色が可能になります。
- H U E /360
色相、彩度、明度を直感的に操作しながら色の組み合わせを試せるサービス。メインカラーを選ぶと相性の良い色が選出されるので、その中から類似色や補色を意識してベース、アクセントカラーを選ぶのがオススメです。
まとめ
色はブランドの「声なきメッセージ」であり、配色はそのメッセージをより明確にするための設計図です。
色彩心理で色の持つ感情的効果を理解し、配色理論でバランスと印象をコントロールすれば、ブランドらしさと訴求力を両立できます。
もし「自社の配色や色の使い方がブランドに合っているのか分からない」「もっと効果的な色の提案がほしい」と感じられたら、ぜひ弊社のデザイナーと編集者にご相談ください。
企業の広報物やパンフレット、Webサイトの制作経験豊富なスタッフが、色彩理論とブランド戦略の両面から最適なご提案をいたします。お気軽にご相談ください。
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