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言葉にして伝える!Web制作に欠かせない『デザイン言語化』の力


はじめに


Webデザインの役割とは、単に見た目を綺麗に整えることだけではありません。
その本質は、ビジネスにおける「問題の解決」や、ユーザーに対する「新しい価値の提案」です。

クライアントが抱える課題を正しく理解し、その背景や目的を踏まえたうえで、適切な配色やレイアウトを設計してデザインとして形にしていく。
Webデザイナーの仕事は、こうした一連の判断と選択の積み重ねによって成り立っています。

しかし、意図を持ってデザインを制作しても、その背景にあるデザインのコンセプトや判断軸がプロジェクト内に正しく共有されなければ、意思決定が「なんとなく」や「個人の好み」といった感覚的な判断に委ねられてしまいかねません。
根拠の薄い判断は、関係者の間で認識のずれを生み、プロジェクト全体の目的を曖昧にさせます。
デザイナーも曖昧な判断基準による修正対応に追われ、本来注力すべき課題解決や価値提案の部分から遠ざかってしまいます。

こうした状況を防ぎ、関係者との共通認識を深め、プロジェクトをより良い方向へと導くために欠かせないスキル。――それが、Webデザイナーに求められる『言語化』の力です。



Webデザイナーに言語化が求められる理由


デザインの意図は、完成したビジュアルを見ていただくだけでは、必ずしも正しく伝わるとは限りません。
そこで重要になるのが、「背景にある意図を言葉にして伝えること」です。
言語化の精度によって、同じデザインでも伝わり方は大きく変わってきます。デザインの意図や判断を言葉として共有することは、関係者の認識を揃えるための重要なコミュニケーションでもあります。


試しに、この記事のアイキャッチを例として、「曖昧な言語化」と「明確な言語化」による意図の伝わり方の違いを見てみましょう。

【曖昧な言語化の例】
明るい印象にしたかったので黄色を使い、賑やかなイラストと装飾を配置しました。タイトルも目立つようにしています。


⇒「明るい」「賑やか」「目立つ」がすべて主観であり、各要素の選択理由やレイアウトの説明が感覚止まりです。
これでは意図が十分に伝わらず、聞き手側も判断軸が曖昧なまま、自身の好みに基づいた感想や意見を述べるしかなくなってしまいます。


【明確な言語化の例】
「言語化=コミュニケーション」というテーマを視覚的に補強するため、活発さ・対話を想起させる黄色とオレンジを基調にしました。
また、アイキャッチだけで記事の内容がスムーズに把握できるよう、「①タイトルでテーマを明示し、②会話をモチーフにしたイラスト+装飾で内容を補足する」という順に視線が流れるレイアウトにしています。


⇒色や配置そのものから一歩踏み込んだ先、「何を目的にその表現を選択したのか」の判断が言葉で共有されています。
これにより、聞き手はデザインの意図を理解したうえで意見を述べたり、共通の判断軸に沿って評価を行うことができるのです。


アイキャッチのように1枚の静止画であっても、これだけの意図が詰まっており、説明の仕方ひとつでその意図の伝わり方に差が出ます。
これがWebサイト全体のデザインや長期的に運用されるプロジェクトとなれば、言語化の重要性はさらに増していくことは言うまでもありません。



ヒアリング段階における言語化の重要性


実際の制作に入ると、Webデザイナーはクライアントの要望や背景を理解し、それをデザインとして形にする役割を担います。
プロジェクトによってはサイト全体の構成を検討する段階から関わるケースもあり、単に見た目を整えるだけではない判断も求められます。

しかし、ヒアリングの場で語られる要望は、必ずしも整理された状態であるとは限りません。
「なんとなく今のサイトが古い気がする」「かっこいい印象にしたい」といったように、抽象的な表現や個人の好みによる意見もしばしば見受けられます。

そこで必要になるのが、受け取った情報を言葉として整理し直すことです。
・発言の背景にある目的や課題は何か?
・なぜその表現を使いたいのか?
・その課題に対し、デザイン(配色・レイアウト・機能)でどのように解決するのか?
デザイナー自身が一度立ち止まって考え、それを言語化によって明確にしていく必要があります。

あわせて、既存のWebサイトやデザイン事例を共有しながらイメージのすり合わせを行うことも重要です。

例えば、「かっこいい」という言葉ひとつ取っても、ある人にとっては「クールで無機質」な印象を指すかもしれませんし、別の人にとっては「スタイリッシュで洗練されている」状態、あるいは「ワイルドで力強い」表現を想定している可能性もあります。
こうした感覚的な言葉を深掘りせずに進めてしまうと、後になってイメージの違いが発覚し、大きな手戻りが生じる原因になりかねません。
具体的なデザイン例を見ながら、「どこに魅力を感じるのか」「逆に避けたい表現は何か」といった点を言葉にしてやり取りすることで、お互いの認識の相違を防ぎ、抽象的な要望を具体的な形へと落とし込んでいくことができます。

ヒアリングの段階で、「何を解決するためのサイトなのか」「誰に、どのような印象を持ってもらいたいのか」「ユーザーにどのようなアクションを起こしてほしいのか」を明確な言葉に落とし込んでおく。
それは、その後のデザイン判断を「個人の好みや感覚」ではなく、「目的に沿っているかどうか」という合理的な基準へと引き上げる、非常に重要な工程なのです。



デザインの意図・コンセプトを言語化する


デザインの提案やフィードバックの場で、「なぜこの表現なのか」「別の見せ方にできないか?」という問いに答えることは、デザイナーの重要な仕事の一つです。

例えば、クライアントから「もう少し軽い印象にしたい」というフィードバックをいただいたとき。
その言葉が指しているのが「色」の話なのか、情報の「密度」なのか、あるいは「余白」の印象なのかは、言葉を尽くして確認しなければ分かりません。

デザイナー側から「この配色はサービスの信頼性を担保するために、あえて落ち着いたトーンを選んでいます」と意図を提示できていれば、議論の焦点は「なんとなく」から「目的に対して適切か」という具体的な改善案へと進化します。
デザインの意図を言語化することは、デザイナーが表層的な制作のみを担う存在ではなく、「目的達成のために思考し判断するパートナー」へと立ち位置を変えることを意味します。
感覚ではなく、目的と根拠に基づいて対話できることが、プロジェクトを前へと進める力になるのです。



言語化力を鍛えて価値あるデザイン制作を


言語化は、特別な才能ではなく、日々の積み重ねで磨くことができる「技術」です。
自分の頭の中にある感覚を意識的に観察し、アウトプットする習慣をつくることが、言語化力を高める近道になります。

具体的には、以下のステップを日常的に取り入れるのがおすすめです。

1.自分の中の「なんとなく」を放置しない
制作の過程で、無意識に色を選んだり、要素を配置したりしたとき、「なぜこの表現を選択したのか?」と自分自身に問いかける癖をつけましょう。
「なんとなく収まりが良いから」という感覚を分析し、「視認性を確保するために余白を広げた」と言い換えてみる。この自問自答の繰り返しが、自分の中の判断基準を明確にしていきます。

2.デザインの「逆引き」トレース
優れたデザインに触れた際、単に「綺麗だ」と感銘を受けるだけで終わりにせず、そのデザイン意図を想像して言葉として書き出してみるのが効果的です。
制作者がどのような課題を解決するためにその表現を選んだのか、逆引き思考でトレースすることで、自分の語彙や引き出しが増えていきます。

3.相手に伝わる「言葉」を選ぶ
たとえば「ジャンプ率を上げた」と伝える代わりに、「重要な情報を一目で判別できるようにメリハリをつけた」と言い換える。「補色をアクセントに使った」ではなく、「背景と対比の強い色を使い、お問い合わせボタンへ自然と目が向くようにした」と説明する。
このように、手法や専門用語そのものではなく、「その結果、何がどう変わるのか」まで言葉にすることが重要です。
特にクライアントや非デザイナーの関係者に対しては、専門用語ばかりを使うのではなく、相手の立場や理解度に合わせた言葉を選ぶことで、言語化は初めて「伝えるための武器」として機能します。

Webデザイナーにとって、言語化とは「自分のデザインを守るための盾」であり、同時に「プロジェクトを成功へ導くための矛」でもあります。
感覚や手癖に頼るデザインから一歩踏み出し、すべての選択に意図と根拠を持つこと。そして、それを適切な言葉にして共有すること。
この積み重ねが、クライアントとの深い信頼関係を築き、単なる「制作担当者」ではない、真の「パートナー」としての価値を創出していくことに繋がっていきます。

自分の中にある「意図」を丁寧に見つけ出し、言葉にしてみる。その一歩が、デザインの持つ力を最大化させ、プロジェクトを成功に導く礎となるはずです。





オレンジ社はサステナビリティサイトやコーポレートサイトなど、企業コミュニケーション領域のWebサイト制作を得意としています。

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